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酒類製造業免許の取得方法
2022年12月25日(日)

酒類製造の最低製造見込数量

酒類の製造免許は、ひとつの製造場で1年間に製造しようとする酒類の見込数量が、酒類の品目ごとに定められています。これは申請時点で製造数量を生産することができる設備が必要となるということです。

1.清酒      60kl
2.合成清酒    60kl
3.連続式蒸留焼酎 60kl
4.単式蒸留焼酎  10kl
5.みりん     10kl
6.ビール      10kl
7.果実酒      6kl
8.甘味果実酒    6kl
9.ウイスキー    6kl
10.ブランデー    6kl
11.原料用アルコール 6kl
12.発泡酒      6kl
13.その他の醸造酒  6kl
14.スピリッツ    6kl
15.リキュール    6kl

ただし、複数の酒類、例えば、ウイスキーとリキュールをひとつの製造場で製造しようとする場合には、その製造見込数量合計が12kl必要ではなく、ひとつの製造場で6klの製造見込数量があれば、満たすことになります。
上記の製造見込数量の多い方を優先しますので、清酒とリキュールを製造しようとする場合には年間製造見込数量60klを満たさなければなりません。
構造特区等の場合には上記製造見込み数量がないこともあります。

酒類製造免許の人的要件

  1. 申請者が酒類等の製造免許若しくは酒類販売業免許又はアルコール事業法の許可取消処分を受けた者である場合には、取消処分を受けた日から3年経過していること
  2. 申請者が酒類の製造免許または酒類の販売業免許、アルコール事業法の許可の取り消し処分を受けたことがある法人の役員で、取消原因があった日以前1年以内にその法人の業務を執行する役員であった者の場合には、その法人が取消処分を受けた日から3年を経過していること
  3. 申請者が申請前2年以内において国税又は地方税の滞納処分を受けたことがないこと
  4. 申請者が国税又は地方税に関する法令に違反して、罰金の刑に処せられ又は通告処分を受けた者である場合には、罰金の執行を終わり又は通告の履行をした日から3年を経過していること
  5. 申請者が、法令に違反し、罰金刑、禁錮以上の刑に処せられた者である場合には、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から3年を経過していること

場所的要件

酒類製造免許の製造場が酒場、旅館、料理店等と同一の場所でないこと
これらと同じ場所の場合には明確に区分けを行い、事業としてもそれぞれ独立させる必要があります。

経営基礎要件

酒税法10条10号では、以下のように定められています。

1.免許の申請者が破産者で復権を得ていない場合
2.その経営の基礎が薄弱であると認められる場合に該当しないこと

「経営の基礎が薄弱でないこと」とは、具体的には、次のことをいいます。

申請者等が次のに掲げる場合に該当しないかどうか

(注) 申請者等とは、申請者が法人のときは代表者又は主たる出資者をいいます。

・現に国税若しくは地方税を滞納している場合
・申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けている場合
・最終事業年度における確定した決算に基づく貸借対照表の繰越損失が資本等の額を上回っている場合
・最終事業年度以前3事業年度のすべての事業年度において資本等の額の20%を超える額の欠損を生じている場合

(注) 「資本等の額」=資本金+資本剰余金+利益剰余金-繰越利益剰余金

・酒税に関係のある法令に違反し、通告処分を受け、履行していない場合又は告発されている場合
・製造場の申請場所への設置が、建築基準法、都市計画法、農地法、流通業務市街地の整備に関する法律その他の法令又は地方自治体の条例の規定に違反しており、店舗の除却若しくは移転を命じられている場合
・酒類の製造免許を付与された場合において、当該製造者が今後1年間に納付すべき酒税額の平均3ヶ月分又は製造免許申請書に記載している酒類の製造予定数量に対する酒税相当額の4ヶ月分のうち、いずれか多い方の金額以上の担保を提供する能力がないと認められる場合
・申請者、その役員が事業経歴その他から判断し、適正に酒類を製造するのに十分な知識及び能力を有すると認められる者
・申請者が、酒類を適切に製造するために必要な所要資金等並びに製造又は貯蔵等に必要な設備及び人員を有する者であって、酒類の製造に関して安定的な経営が行われると認められる場合であること(通帳のコピーなど資金を証明する書類が必要)
酒類の製造に必要な原料の入手が確実と認められること
(仕入先との取引承諾書などで証明します。)
・申請者(従業員を含む)がこれまで醸造等食品や酒類の製造業に従事した経験があること
(履歴書記載の職務経歴などで判断されます。)
申請者が製造した酒類の販売をする取引先等を確保していること
(販売先との取引承諾書などで証明します。)

製造技術・設備要件

  1. 技術的要件
    申請者は、醸造・衛生面等の知識があり、かつ保健衛生上問題のない一定水準の品質の酒類を継続的に供給することができ、不測の事態が生じた場合に対応できる能力を有すること※製造計画や製造工程、製造技術者の経歴、人員、品質設計、品質管理、研修の体制等から総合的に判断されます。必要な技術的能力をもっている方を雇用することで技術的能力は満たします
  2. 設備要件
    酒類の製造又は貯蔵等に必要な機械、器具、容器等が十分備わっていることと、製造場が工場立地法、下水道法、水質汚濁防止法、食品衛生法等製造場の設備に関する法令等に抵触していないこと
    他の法令で許可等が必要な場合もあります。

当事務所では全くの未経験の方の酒類製造のご支援等も行っております。酒類の製造業をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。

著者情報
行政書士 那須隆行
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2009年1月行政書士事務所開業 ミライ行政書士法人代表。
行政書士業務の中でも専門的に 酒類販売業免許申請を代行して います。
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