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オーストラリアへ日本酒、焼酎を輸出するには
【最新版】オーストラリアへ日本酒・焼酎を輸出するための完全ガイド:ライセンス・関税・ラベル規制・内国税を解説
1. オーストラリアの酒類市場と日本からの輸出要件
オーストラリアでは、和食レストランの増加や日本食カルチャーの定着に伴い、都市部を中心に高品質な日本酒やクラフト焼酎の需要が拡大しています。
日本からオーストラリアにお酒を輸出するためには、まず日本国内で「輸出酒類卸売業免許」を取得する必要があります。さらに、現地オーストラリアの法律・規制に準拠した流通経路を確保することが不可欠です。
2. オーストラリア現地の酒類販売ライセンス(Liquor Act)
オーストラリアでは、連邦政府の規制に加えて、各州・準州のアルコール飲料法(Liquor Act)に基づく販売ライセンスが必要です。
主なライセンス区分
| ライセンス種別 | 概要・対象施設 |
|---|---|
| On-premises License | 購入したその場で飲酒させる事業者向け(レストラン、居酒屋、バー、ホテル、劇場など) |
| Packaged Liquor License | 持ち帰り専用で販売する事業者向け(ボトルショップ/リカーショップ、スーパー併設店など) |
| Wholesaler / Producer License | 事業者間での卸売取引や製造事業を行う事業者向け |
重要:地域社会への影響評価(CIS: Community Impact Statement)
新規のライセンス取得や営業時間の延長申請時には、地域社会への影響を評価する文書(CIS)の提出を求められる場合があります。申請者は地方自治体(Local Council)、現地警察、地域住民との協議を行い、合意形成を図る必要があります。
3. 関税率と貿易協定(JAPEPA / CPTPP)
日本とオーストラリアの間には、日豪EPA(JAPEPA)およびCPTPP(TPP11)が発効しているため、適切な手続きを行うことで関税面での優遇を受けられます。
(1)日本酒(HSコード:2206.00)
- 関税率:0%(無税)
- 適用条件:
- アルコール度が1.15%超であること
- 米の完全または部分的な発酵産物であること
- 他からエチルアルコールを加えていないこと(※特定条件を満たす清酒)
- 協定に基づく原産地証明書(Certificate of Origin: COO)等を備えていること
(2)焼酎・スピリッツ類(HSコード:2208.90)
- 協定関税率:0%(基本関税免税)
- 注意点: 基本関税は無税となりますが、オーストラリア国内の蒸留酒に対する「酒税(Excise Duty Equivalent)」が関税と併せて徴収されます。
4. オーストラリア国内の税金(内国税・消費税)
オーストラリアに酒類を輸入・販売する際は、商品分類に応じて以下の内国税が課せられます。
(1)日本酒に適用される税金
| 税金の種類 | 税率・説明 |
|---|---|
| WET (Wine Equalization Tax) |
29% アルコール度数1.15%超のワインおよび日本酒(Sake)に適用。卸売価格またはCIF+関税等の合計額ベースで課税されます。 |
| GST (Goods and Services Tax) |
10% 日本の消費税に相当。(CIF価額 + 関税額 + WET額)の合計金額に対して10%が課税されます。 |
(2)焼酎・スピリッツ類に適用される税金
| 税金の種類 | 税率・説明 |
|---|---|
| 酒税 (Excise Duty) |
従量課税(純アルコール1Lあたり) 焼酎は蒸留酒(Spirits)に分類されるため、純アルコール量に応じた定額税が課されます。(※物価指数に連動して年2回[2月・8月]改定されます) |
| GST (Goods and Services Tax) |
10% (CIF価額 + 関税額 + Excise Duty額)の合計金額に対して10%が課税されます。 |
5. ラベル表示規制(FSANZ Standard)必読・最新規定
オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ: Food Standards Australia New Zealand)の基準(Food Standards Code)に基づき、以下の項目を英語で・鮮明に・背景とコントラストのある読みやすい文字で表示する必要があります。
必須記載事項一覧
- 品名・一般名称(Product Name / Standard Name): 例:「Sake」「Shochu (Japanese Spirits)」など
- 原材料名(Ingredients): 原材料一覧(アレルゲンとなる添加物等がある場合は明記)
- アルコール度数(Alcohol Content): 例:「% alc/vol」または「% ABV」表記
- 標準飲酒量(Standard Drinks):オーストラリア独自の概念で、アルコール純量10gを「1 Standard Drink」と定義します。ラベルへの数値表記が必須です。
計算式:容器容量(L) × アルコール度数(%) × 0.789 = Standard Drinks
(例:720ml瓶・度数15%の日本酒の場合 ➔ 0.72 × 15 × 0.789 ≒ 8.5 Standard Drinks) - 妊娠中飲酒警告表示(Pregnancy Warning Mark)完全義務化:オーストラリアでは、アルコール度数1.15%以上のすべての酒類に対し、指定されたマーク・文言の表示が義務化されています。
- 妊婦のマーク(赤・黒・白のピクトグラム)
- 「PREGNANCY WARNING: Alcohol can cause lifelong harm to your baby」の警告文
- 文字サイズやマークの直径(最低径・文字高)に厳格な規格があります。
- アレルゲン警告表示(Allergen Declaration): 亜硫酸塩(Sulfites)などが規定値以上含まれる場合は明記が必要です。
- 輸入業者情報(Importer Details): オーストラリア国内の輸入業者または販売代理店の名称および住所(オーストラリア国内住所)。
- 原産国表示(Country of Origin): 例:「Product of Japan」
- 内容量(Net Content): 例:「720ml」「1.8L」など
6. 容器・容量規制と輸送上の注意点
- 容器・容量: 法定での容器サイズ指定はありません。現地流通では四合瓶(720ml)、一升瓶(1.8L)、300ml小瓶、アルミ缶(Sake Can)などが広く利用されています。
- 品質管理(リーファー輸送): オーストラリアは輸送経路・現地気候ともに高温になりやすいため、特に無濾過生原酒や吟醸酒などはリーファーコンテナ(冷蔵輸送)の使用が強く推奨されます。
7. まとめ:円滑な輸出のためのポイント
オーストラリアへの酒類輸出では、以下の流れで準備を進めることが成功のポイントです。
- 日本国内での輸出酒類卸売業免許の確保
- 現地の適切なライセンスを保持する輸入パートナー(ディストリビューター)の選定
- FSANZ基準に完全に合致した英文ラベル(Standard Drinks・妊娠中警告マーク含む)の準備
- JAPEPA/CPTPPを活用した原産地証明書等の書類準備

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