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イタリアへ日本酒、焼酎を輸出するには






イタリアへ日本酒・焼酎を輸出するための完全ガイド【最新版】


最新法規制対応

イタリアへ日本酒・焼酎を輸出するための完全ガイド

対象:酒類輸出事業者・酒蔵・酒販店
最終更新:最新実務基準
ワイン大国として知られるイタリアですが、近年の日本食ブームや和食レストランの増加に伴い、日本酒(清酒)や本格焼酎・泡盛の需要が急速に高まっています。2019年の日EU・EPA(経済連携協定)発効により関税が撤廃されたことも、日本酒のイタリア輸出を大きく後押ししています。

本記事では、日本酒・焼酎をイタリアへ円滑に輸出するために必要な日本側での免許手続き現地でのライセンス規制日EU・EPA適用後の税率、およびEU規制に準拠したラベル表示ルールを最新情報に基づき分かりやすく解説します。

1. 日本側で必要な酒類販売業免許

日本国内から海外へお酒を直接輸出する場合、関税法上の手続だけでなく、酒税法に基づく酒類販売業免許が必要となります。

  • 輸出用酒類卸売業免許: 自社で製造した酒類、または他社から仕入れた酒類を海外の事業者に輸出・卸売する場合に必要な免許です。
  • 輸出入酒類卸売業免許: 輸出だけでなく、海外からの輸入酒類の卸売も並行して行う場合に取得します。
ポイント: すでに「一般酒類小売業免許」を持っている場合でも、海外の事業者へ直接卸売・輸出を行うには「輸出用酒類卸売業免許」等の別途取得が必要です。申請から取得までには通常2〜3か月程度を要するため、余裕を持った計画が必要です。

2. イタリア現地での輸入・販売ライセンスと手続

イタリアへ日本酒・焼酎を輸入し、国内で流通させる現地パートナー(輸入業者)側には、以下の登録・体制が義務付けられています。

① 輸入許可制度

蒸留酒(焼酎等)で特定のコードかつ1回の輸入量が10,000リットルを超える大量輸入等の例外を除き、通常の日本酒・焼酎の商業輸入において事前の個別の輸入許可(Import License)取得は原則不要です。

② 税務倉庫(Deposito Fiscale)の登録

イタリアへ酒類を輸入する事業者は、財務警察(Guardia di Finanza)および税関管理局の管轄下にある「税務倉庫(Deposito Fiscale)」を保有または利用・登録している必要があります。これにより未納税(未決済)状態での保管や、内国消費税(物品税)の適切な申告・納付が行われます。

③ 国内販売登録(ベルサーニ法)

イタリア国内でお酒を商業販売・卸売する場合、店舗面積の規模に関わらず、営業地を管轄する市(Comune)当局への事前登録が必要です(通称「ベルサーニ法」:Decreto Legislativo 31 Marzo 1998, n. 114)。なお、州によって詳細な運用ルールが異なる場合があります。

3. 関税・付加価値税(VAT)・物品税

イタリアへの輸出時に発生する税金の最新状況は以下の通りです。

税種 日本酒(清酒 / HS2206.00) 焼酎・泡盛(蒸留酒 / HS2208.90) 備考
関税(Customs Duty) 0%(無税) 0%(無税) 日EU・EPA適用(原産地自己申告等が必要)
付加価値税(VAT) 22% 22% イタリアの標準VAT率(Imposta sul Valore Aggiunto)
物品税(Excise Duty) 約 68.51 ユーロ / 100L 約 800.01 ユーロ / 100L
(100%アルコール換算等)
EU域内統一酒類税則に基づき計算
【重要】日EU・EPAによる関税即時撤廃
2019年の「日EU・EPA(経済連携協定)」発効に伴い、日本原産の日本酒(HS2206)および焼酎(HS2208)に対するEUの関税は即時撤廃(0%)されました。EPA協定に基づく原産地自己申告・証明を行うことで、関税ゼロで輸入が可能です。

4. EU・イタリアのラベル表示規制

EU域内で流通させるすべての食品・清涼飲料・アルコール飲料は、EU規則(FIC規則:(EU) No 1169/2011等)およびイタリア国内法に準拠したイタリア語でのラベル表示が義務付けられています。

【必須表示項目一覧】

  1. 法定品目名称: 清酒は「Sake」、または発酵飲料としての法定区分表示。ブランド名のみの表記は不可。
  2. 原材料名(Ingredienti): 使用原料(米、米麹、醸造アルコール等)を使用重量順に表示。
  3. 特定アレルゲン物質の表示: 亜硫酸塩(酸化防止剤)等のアレルゲン物質が含まれる場合は明確に強調表記(太字等)。
  4. 正味量(Quantità netta): 「ml」「cl」「l」のいずれかで表示。
  5. アルコール度数(Titolo alcolometrico): アルコール分1.2%以上の製品は、数値の後に「% vol」を明記(例:15.0% vol)。
  6. 原産国(Paese di origine): 原産国を明記(例:Prodotto in Giappone / Country of Origin: Japan)。
  7. EU域内の責任事業者情報: 輸入者またはEU域内に所在する販売元事業者の名称および住所。
  8. ロット番号(Lotto): トレーサビリティ用のロット番号(識別子「L」に続けて表記)。
  9. 賞味期限・保存条件: アルコール度数10%以上の酒類は原則賞味期限の表示免除。ただし、生酒などで品質保持に特別な保存が必要な場合は保存条件(要冷蔵等)をイタリア語で明記。
注意:近年のEU環境規制(環境ラベル表示)
イタリアでは2023年より、容器包装の分別廃棄ルールをわかりやすく示す「環境ラベル(Etichettatura Ambientale)」の表示義務化が進んでいます。使用されているボトルの材質(ガラス、キャップの材質など)とリサイクル分別コードの記載が求められるため、現地輸入業者との事前の確認が不可欠です。

5. 容器容量規制

EU指令(2007/45/EC)により、事前包装された製品の容量規制の大部分は緩和されていますが、一部の伝統的酒類カテゴリー(ワインや特定の蒸留酒)には標準容量(750ml, 500ml, 370ml等)の規定が残されています。

日本酒(Sake)は醸造酒であり、ワインの特定規定(HS2204)とは異なる分類(HS2206)となるため、日本の標準的な四合瓶(720ml)や一升瓶(1,800ml)の輸出も実務上一般的に行われています。ただし、醸造アルコールの添加割合やアルコール度数によって解釈が分かれるケースがあるため、輸出前に現地の輸入業者を通じて関税当局・専門家に事前確認することをお勧めします。

まとめ:輸出成功へのステップ

イタリアへの日本酒・焼酎輸出を成功させるためのポイントは以下の通りです。

  1. 日本国内免許の整備: 輸出用酒類卸売業免許等の取得
  2. 現地輸入パートナーの選定: 税務倉庫(Deposito Fiscale)およびイタリア国内の酒類販売体制を有する信頼できる輸入事業者の選定
  3. EPA活用と証明手続: 日EU・EPA適用による関税0%を活用するための原産地手続きの実施
  4. ラベル・容器コンプライアンス: イタリア語表記および環境ラベル規制に対応したバックラベルの作成