イギリスへ日本酒・焼酎を輸出するには【最新法規制と手続き】
イギリス(英国)は、ヨーロッパ地域において日本産酒類(日本酒・焼酎等)の主要な輸出先の一つです。近年は和食ブームに加え、現地のパブや高級レストラン、スーパーマーケットでも日本酒が扱われる機会が増加しています。
日本からイギリスへ酒類を輸出・販売するにあたっては、日本の輸出免許だけでなく、英国独自の輸入規制、ラベル表示ルール、最新の酒税制度への対応が必要です。
1. 日本国内で必要な免許
日本からイギリスへお酒を継続的に輸出するには、まず日本の管轄税務署から「輸出酒類卸売業免許」を取得する必要があります。
2. イギリスの輸入規制・手続き
- 事業者登録: イギリスへ酒類を輸入する現地事業者は、英国歳入税関庁(HMRC)および関連機関への登録手続きが必要です。
- 輸入手続き: 通関時にHSコードに応じた税関申告を行い、関税(Customs Duty)、酒税(Alcohol Duty)、付加価値税(VAT)を納付(または保税管理)します。
3. 容器容量規制(720ml「四合瓶」の扱い)
- 720mlボトルの解禁: 従来、旧EU規則の標準容量制限(700mlや750ml等)により、日本の一般的な四合瓶(720ml)は現地でのそのままの販売が制限されていました。
- 最新動向: ブレグジット後の規制緩和により、英国政府は酒類のボトル容量制限を改定し、720ml(四合瓶)や500mlなどの容量での流通が正式に認められました。これにより、日本国内と同じ規格(720ml)での輸出が非常にスムーズになっています。
4. ラベル表示規制(UKラベル)
イギリス国内で流通・販売する酒類のボトルには、英語で以下の情報を正確に表示する必要があります。
- 品名(名称): 日本酒(Sake)、焼酎(Shochu / Spirits)など
- 原材料名・アレルギー物質情報: 亜硫酸塩等の指定アレルゲンが含まれる場合は明記
- アルコール度数: 「% vol」表示(小数点以下1桁まで)
- 正味量(容量): 例:720ml、300mlなど
- 原産国: 例:「Product of Japan」
- 英国域内事業者の名称・住所: イギリス国内の輸入業者(Importer)または販売元(FBO: Food Business Operator)の名称と住所
- ロット番号(Lot Number): 「L」から始まる追跡番号
5. 内国諸税(関税・酒税・付加価値税)
(1)付加価値税(VAT)
標準税率:20%(商品価格+関税+酒税の合計に対して課税)
(2)酒税(Alcohol Duty)
※2023年8月より英国では新しい一元化アルコール税制が施行されています。従来の「ワイン」「醸造酒」「蒸留酒」という商品分類ではなく、「アルコール度数(ABV)」に連動した課税方式へ移行しました。
- 日本酒(醸造酒): 度数に応じて細かく税額が設定されます(例:8.5%〜22%の度数帯に応じた課税)。
- 焼酎(蒸留酒): アルコール度数が高い(20度以上等)ため、100%純アルコール1リットルあたりの単価に基づき課税されます。
6. イギリス国内での酒類販売ライセンス
現地で輸入された酒類を販売・提供するためには、英国の「2003年ライセンス法(Licensing Act 2003)」に基づき、現地の店舗・事業者が以下のライセンスを保有している必要があります。
- 施設免許(Premises Licence): 酒類を販売・提供する店舗・倉庫などに発行
- 個人免許(Personal Licence): 酒類販売の現場責任者(DPS)となる個人に発行

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