酒販情報
販売する方法がインターネットオークションやアプリであっても、継続的に出品を行うのであれば通信販売酒類小売業免許が必要となります。
そのオークション販売で免許が付与されました。
全国的にも個人出品で申請されるケースがほとんどないようで、添付するサンプルページの作り込みに時間がかかりましたが、申請から2ヶ月以内に無事交付となりました。
このオークション形式の販売方法で通信販売酒類小売業免許申請の難しい点は、
- 仕入先が確実でないこと
酒類卸業者から仕入をするのであればよいですが、個人からの買取りなどもある場合 - 20歳未満の者でないことの確認方法
取引ナビというオークション上のやり取りとなるため、所定の年齢確認フォームを用意できない - どの時点がお酒の購入申込なのかわかりにくい
購入の意思表示は入札時点なのか落札時点なのか、それとも取引ナビで個別に連絡を取ったときなのか判断しにくい - 匿名性の高いオークションシステムで特定商取引法の表記をしなければならない
通常、オークションでは落札するまで出品者の情報は開示されません。 - 販売できるお酒が限られている
通信販売で販売できるお酒は輸入酒類と課税移出数量3,000㎘未満の国産酒です。
以上のことなどから、ネットショップとは違い難しい申請となります。また国産酒を販売するには蔵元から3000kl未満の証明書をもらわなければなりませんのでそちらもハードルが高いです。
『仕入先が確実でないこと』については、販売者が反復継続して買取りができることが必要となります。
リサイクルショップなどを経営していれば、客観的に判断できますが、個人でオークションに出品する場合にはある程度証明することが必要です。
※ただし、この買取りについても同じ人から継続的に買取りをすることはできません。同じ人から買取りをする場合、その売りにきた人が酒類卸売業免許が必要となります。
『20歳未満の者でないことの確認方法』については、取引ナビにて年齢確認を確実に実施するか、別途メールにて免許証等を添付してもらうなど工夫が必要になります。
『どの時点がお酒の購入申込なのかわかりにくい』については、これは購入申込時点で年齢確認を実施する必要があるから重要なことになります。入札者の購入申込は入札時点となります。オークションという形式では、入札時点では匿名性が高く年齢確認をすることは不可能です。
ただ、民法上、売買契約が成立するには、購入者の申込と販売者の承諾が必要となることから、販売者が売買の承諾を年齢確認ができる状態になったときにすることとすれば、問題ありません。
『特定商取引法の表記』については、別途URLを用意し、そちらに表記をするかまたはオークションの商品説明に掲載する必要があります。匿名性が高いオークションシステムでも出品者は法定された情報を開示しなければなりません。
『販売できるお酒が限られている』については、輸入酒でしたら問題はありませんが、国産酒ですと継続的に同じ酒類を仕入れる場合と違い、販売する酒類が毎回違うようであれば、毎回製造元に証明をもらう必要があります。骨董品としてお酒を販売するケースではその証明ができない場合もあります。
これについては、判断が難しいようですが、申請の際には誓約書を添付し、課税移出数量3,000㎘未満であることが確認できなければ販売をしないようにします。
これらすべてが曖昧であれば、酒類販売業免許交付されることはありません。
オークションという形式の販売方法をとる場合、難しい申請となりますが、無免許で販売するよりは通信販売酒類小売業免許取得にチャレンジされることをおすすめいたします。