酒販情報
酒類販売業界ではゾンビ免許と言われる免許が存在します。
昭和平成初期の酒類販売業免許なのですが、現在の免許のように「酒類の販売は通信販売を除く小売に限る。」という条件がない小売免許になります。
この旧酒販免許は、現在の酒税法第9条に規定がないため、ゾンビ免許と呼ばれています。
現行の酒税法では、このような条件の小売免許は新規取得することが基本的にできません。
記載されている条件は「酒類の販売は小売に限る。」と記載されているので、日本酒や焼酎、国産のウイスキーなどでも、どんなお酒であっても全国に通信販売が可能となります。
今現在は新規取得できない免許ですが、この免許を持っている会社を法人であればM&Aによる吸収合併や事業譲渡のお手伝い、個人事業主の場合は、個人事業主の免許から法人成りをし、吸収合併等の手続や酒類販売場移転許可申請などお手伝いさせていただいたこともあります。
法人よりも、個人事業主で旧酒販免許を持っている酒屋さんが多く、高齢の方も多いため、通信販売をされていないケースが非常に多いのが現状です。その場合はすぐに通信販売を開始し、通信販売の実績を6ヶ月から1年程度を積んでから法人成りしないと現在の一般酒類小売業免許の条件(酒類の販売は、通信販売を除く小売に限る。)になってしまうこともありますから注意してください。
※最短3ヶ月の通販実績で法人成りし、旧酒販免許承継したケースもあります。
法人成り後、吸収合併などの手続きを予定されるかと思います。
結論から言うと吸収合併もこの旧酒販免許を持っている会社を消滅会社にして合併することも可能です。
こちらもまた通信販売の実績が6か月から1年程度(※最短3か月で合併させたケースもあります。)が必要となります。
通販実績や吸収合併後の事業計画も作成しなければなりませんので、吸収合併をご検討の場合には少なくとも申請の3か月~6か月から準備をしておいた方が良いです。
このゾンビ免許について、まれに全酒類卸売業免許も条件として付与されている免許があります。
「酒類の販売は卸売及び小売に限る。」と記載があって、この条件の場合は法人成りも吸収合併も非常に難しい申請となります。その理由は全酒類卸売業免許が付与されているので、年間100kl以上販売していないと吸収合併も法人成りも基本的にはできません。また移転しようにも移転先の都道府県で抽選に当選しなければなりません。
過去の申請では、この全酒類卸売業免許が付与されているゾンビ免許(旧酒販免許)でしたが、卸免許部分を引き継がず吸収合併をさせ、無事にゾンビ免許(旧酒販免許)承継出来たケースもあります。