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ドイツへ日本酒、焼酎を輸出するには

 

ドイツへ日本酒・焼酎を輸出・販売する方法|免許・関税・ラベル表示規制を徹底解説

和食ブームや日本文化への関心の高まり背景に、ヨーロッパ市場、特にEU最大の経済規模を誇るドイツへの日本酒(清酒)・焼酎の輸出ニーズが急速に伸びています。

ドイツへの輸出にあたっては、日本国内での適切な酒類販売業免許の取得はもちろんのこと、日EU・EPA(経済連携協定)に基づく最新関税率、EU統一のラベル表示規制(FIC規則)容器容量規制現地の酒税(物品税)を正確に把握しておく必要があります。

本記事では、ドイツへ日本酒や焼酎を輸出・販売する際に必須となる法律・手続き・税制について、最新の情報に基づき分かりやすく解説します。

1. 日本国内で必要な手続き(輸出酒類卸売業免許)

日本国内からドイツの事業者(輸入業者や卸売業者)へお酒を輸出して販売するには、管轄の税務署から「輸出酒類卸売業免許」を取得する必要があります。

💡 注意ポイント:
すでに国内向けの酒類販売業免許(一般酒類小売業免許など)を所有している場合でも、自社で海外事業者へ卸売輸出する場合には、別途「輸出酒類卸売業免許」の免許付与を受ける必要があります。

申請にあたっては、資金的基礎や人的要件に加え、海外の取引先との基本合意書や意向書(LOI)など、実際に輸出事業が行われる確実性を証明する書類が求められます。

2. ドイツ側の輸入・販売ライセンス制度

ドイツ国内におけるお酒の輸入および販売に関するライセンス規制は、品目や取引量によって異なります。

  • 日本酒(醸造酒・HSコード: 2206.00):
    特別な輸入許可申請は原則不要です。一般の商業輸入手続きに従って通関が可能です。
  • 焼酎(蒸留酒・HSコード: 2208.90):
    1回の輸入量が10,000リットル以上の場合に限り、ドイツ連邦農業食糧庁(BLE: Bundesanstalt für Landwirtschaft und Ernährung)からの輸入許可書が必要となります。少口の輸入であれば許可申請は不要です。

なお、ドイツでは日本の酒類販売免許のような「店舗ごとの酒類販売資格制度」は存在しませんが、現地で営業を行う企業は一般的な営業登録(Gewerbeanmeldung)および食品衛生法規(EU食品衛生ルール)の遵守が義務付けられています。

3. 関税・付加価値税(VAT)・酒税の最新税率

ドイツへ輸入される日本酒および焼酎に課される税金(関税、付加価値税、酒税)の最新概要は以下の通りです。

税目 日本酒(清酒 / HS2206) 焼酎(蒸留酒 / HS2208)
関税(Tariff) 0%(無税)
※日EU・EPA適用
0%(無税)
※日EU・EPA適用
付加価値税(VAT) 19.0%(標準税率) 19.0%(標準税率)
内国酒税(Excise Duty) 中間生成物税または発泡性/非発泡性酒類税
(アルコール度数により異なる)
蒸留酒税(Spirituosensteuer)
1,303ユーロ / 100L(純アルコール換算)
📌 日EU・EPAによる関税撤廃:
日EU経済連携協定(EPA)の発効により、日本産の清酒および焼酎に対するEU側の輸入関税は即時撤廃され、完全無税(0%)となりました。原産地申告書を添付することで関税ゼロで輸入可能です。

4. ラベル表示規制(EU食品情報規則:FIC)

EU域内で流通するすべてのお酒には、EU規則(EU No 1169/2011 FIC規則)に基づくラベル表示が義務付けられています。ドイツ国内で販売する場合、原則としてドイツ語表記の補足ラベル(オーバーラベル)を貼付する必要があります。

■ 主な必須表示項目

  1. 名称(Denomination of the Food):「Sake」「Sake-Wein」(日本酒)、「Spirituosen」(焼酎)などの正確な品目表示。ブランド名のみは不可。
  2. 原材料名(Ingredients):使用原料を重量順に表示。
  3. アレルギー表示(Allergens):アレルゲンとなり得る物質(例:酸化防止剤として亜硫酸塩を使用している場合は「enthält Sulfite」など)の明確な強調表示。
  4. 内容量(Net Quantity):「70 cl」「700 ml」など、数値と単位を明記。
  5. アルコール分(Alcoholic Strength):「alc. 15% vol」のように表示(小数点以下1桁まで)。
  6. EU域内の責任者(Importer / Business Operator):EU域内に拠点を置く輸入業者または販売者の名称および住所。
  7. 原産国名(Country of Origin):「Hergestellt in Japan」(Made in Japan)。
  8. ロット番号(Lot Number):識別用ロット管理コード(例:「L12345」)。
  9. 添加物表示:蒸留酒で着色料を使用している場合は「mit Farbstoff」(着色料使用)と明記。

5. 容器容量規制と日EU・EPAによる特例

EUでは容器容量に関する指令(Directive 2007/45/EC)により、流通用容器の規格が定められています。

■ 焼酎(蒸留酒)の容量制限と「単式蒸留焼酎」の特例

通常、EUで販売される蒸留酒は「100ml / 200ml / 350ml / 500ml / 700ml / 1000ml / 1500ml / 1750ml / 2000ml」などの特定容量のみが認められており、日本の一般的な四合瓶(720ml)は原則として流通できません。

しかし、日EU・EPAの合意に基づき、日本の伝統的な「単式蒸留焼酎(本格焼酎)」については特例措置が適用され、四合瓶(720ml)や一升瓶(1,800ml)のままでもEU域内での販売が認められています。

■ 日本酒の容量について

清酒(醸造酒)については、蒸留酒ほどの厳しい統一規格制限はなく、720ml瓶や300ml瓶、1,800ml(一升瓶)など、日本の標準的な規格で流通・販売することが可能です。

6. 実務における注意点とまとめ

ドイツ市場へ日本酒や焼酎をスムーズに輸出・流通させるためのチェックリストは以下の通りです。

  • 輸出免許の取得:日本で税務署より「輸出酒類卸売業免許」を取得する。
  • 現地インポーターの確保:EU域内の輸入者情報がラベル表示必須となるため、信頼できる現地輸入・卸業者をパートナーとする。
  • ラベルの事前確認:ドイツ語表記のオーバーラベルを作成し、記載内容(アレルゲン・EU輸入者名・アルコール度数表記など)がFIC規則に合致しているか確認する。
  • 日EU・EPAの活用:原産地申告書を準備し、関税率0%の適用を受ける。

専門的な法律手続きや免許申請に関するご相談、最新の規制情報については、酒販免許専門の行政書士等の専門家へご相談いただくことをおすすめいたします。

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