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中国への日本酒、焼酎の輸出

中国市場における日本酒・焼酎等の日本産酒類のニーズは非常に高く、適切な規制理解と通関手続きを行なうことで大きなビジネスチャンスとなります。本記事では、日本酒・焼酎を中国へ輸出する際に必要となる酒類販売業免許税率(関税・消費税・増値税)中文ラベル表記規則、および中国税関総署(GACC)輸入食品海外製造企業登録などの最新規制について詳しく解説します。

1. 日本での必要手続き(輸出酒類卸売業免許)

日本国内から中国へお酒を継続的に輸出するためには、日本の管轄税務署長から「輸出酒類卸売業免許」を取得する必要があります。

  • 対象事業:自社で製造した酒類を輸出する場合を除き、他社から仕入れたお酒を海外へ輸出して卸売りする場合は本免許が必須です。
  • 主な要件:経営基礎要件(自己資本比率や資金計画)、販売能力、取引先の確定(輸出先・仕入先の確保)、関係法令の遵守状況などが審査されます。

2. 中国における輸入規制と税制(関税・増値税・消費税)

中国に酒類を輸入する際は、中国税関において関税、増値税(VAT)、および消費税(個別消費税)が徴収されます。協定税率の適用や酒類カテゴリによって税率が異なります。

① 日本酒(HSコード:2206.00)の税率

RCEP(地域的な包括的経済連携協定)の段階的税率引き下げ等を含め、現在の主要税率は以下の通りです。

税目 税率・規定 備考
輸入関税 MFFN税率 40%
(RCEP協定税率適用により年次段階引き下げ対象)
RCEP原産地証明書の提出が必要
消費税(個別税) 10% 従価税
増値税(VAT) 13% 中国国内の標準増値税率(改定後)

② 焼酎・蒸留酒(HSコード:2208.90等)の税率

税目 税率・規定 備考
輸入関税 10%(品目・分類による) 分類細目を確認
消費税(個別税) 従価税20% + 従量税0.5元/500g(1元/kg) 複合課税
増値税(VAT) 13% 標準税率

3. 海外製造・輸出企業の登録制度(GACC登録)

「中華人民共和国輸入食品海外製造企業登録管理規定」(海関総署第248号令)および「輸出入食品安全管理弁法」(海関総署第249号令)により、中国へ食品・酒類を輸出するすべての海外製造施設(酒蔵・蒸留所等)および輸出事業者の事前登録が義務化されています。

  • 酒類(醸造酒・蒸留酒等):日本からの酒類輸出にあたっては、中国税関総署(GACC)のオンラインシステム「CIFER」等を通じて登録を行い、登録番号(GACC登録番号)を取得する必要があります。
  • 表示義務:取得した中国側登録番号(または日本側主幹部門が許可した登録番号)は、輸出品の中文ラベルまたは外包装に明記する必要があります。

4. 中文ラベル(表示)と包装容器の国家標準(GB規格)

中国国内で販売されるすべての輸入食品・酒類には、中国の食品安全国家標準(GB規格)に適合した中文ラベル(中国語表示)の貼付が必要です。

① 主な適用規格

  • GB 7718:食品安全国家標準 預包装食品ラベル通則
  • GB 2758:食品安全国家標準 発酵酒とその製酒類(日本酒・清酒等)
  • GB 2757:食品安全国家標準 蒸留酒とその製酒類(焼酎・ウイスキー等)
  • GB/T 10344:預包装飲料酒ラベル通則

② 中文ラベルの必須記載項目

  1. 商品名称:(例:日本清酒、清酒、焼酎など、GB規格に適合する名称)
  2. 原材料名(配料表):使用原材料・食品添加物(着色料・酸化防止剤等は具体的な化学名・用途分類を表示)
  3. アルコール分(酒精度):%vol表記
  4. 原産国(原産地):「日本」または具体的な製造都道府県
  5. 製造年月日(生産日期)および 賞味期限(保質期):中国法規では年月日単位での表示が基本となります。
  6. 保存方法(貯存条件):(例:常温保存、冷暗所保存など)
  7. 正味重量/内容量(静含量):「mL」または「L」表記(※ネット重量表記)
  8. 輸入業者情報:中国国内の輸入業者・販売業者の名称、所在地、連絡先電話番号
  9. 海外製造企業登録番号:GACC登録番号(CIFERで発行されたコード)
  10. 警告表示(警告語):「過量飲酒有害健康(過度の飲酒は健康を害します)」「未成年人請勿飲酒(未成年者の飲酒は禁じられています)」等の必須フレーズ
【実務上のポイント】
・日本語ラベルの上から中文ステッカーを貼付することも可能です。
・登録商標を使用する場合は、「注冊商標」または「®」を分かりやすく表示します。
・包装材料(ビン、キャップ、箱等)も中国の食品接触材料国家衛生基準に適合している必要があります。

5. 通関・検疫実務の流れと注意点

  1. 事前準備・事前審査:中国側輸入業者と連携し、製品成分表・工程表の事前チェック、中文ラベル見本の作成・審査、GACC登録番号の確認を実施します。
  2. 日本側での出荷・書類手配:輸出酒類卸売業免許に基づく出荷準備、原産地証明書(RCEP等)、分析証明書(衛生・品質試験成績書)の準備を行ないます。
  3. 中国港到着・税関申告(海関申告):中国到着後、税関への申告、書類審査、現物検査(検疫・サンプル検査)が実施されます。
  4. ラベル貼付・検査合格証の発行:保税倉庫等での中文ラベル貼付確認、検疫検査に合格すると「入境貨物検験検疫証明」(通関・衛生証明書)が発行され、中国国内市場での流通・販売が可能となります。

6. まとめ・行政書士へのご相談

中国向け酒類輸出は市場規模が大きく魅力的な一方で、「輸出酒類卸売業免許の取得」「中国GACC企業登録」「厳格なGB規格に準拠した中文ラベル作成」など、法的なハードルが多岐にわたります。法改正や税務規定の更新も頻繁に行われるため、常に最新情報に基づいた実務対応が不可欠です。

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